秋日和

寝ても覚めてもの秋日和のレビュー・感想・評価

寝ても覚めても(2018年製作の映画)
4.0
バイクから放り出された、地面に横たわる二人。そして、長い長い運転を終えた東出昌大が、帰宅したとたんにリビングの床に横たわる。唐田えりかは、その上から身体を重ねるように横たわる。猫みたいに。
この映画で度々目撃する「横たわる」光景は、なんだかとても幸福な空気を醸している気がする(勿論、横たわることがそのまま幸福に結び付かないことは承知の上で、監督は画面上に病に伏した渡辺大知を映し出す)。まるで、横たわってさえいれば夢の続きを見ていられると思っているかのような、彼らの甘えさえも感じる一時。人は横たわって夢を見る。
横たわった人間はやがて起き上がる。時にはしゃがんで、それでもまた起き上がる。起きて、現実を生きていく。それが『寝ても覚めても』という映画なのかなと思う。

それにしても、この世に男女が並んで立つ映画は数あれど、濱口竜介はその中でも印象的な「並ぶ」映画を撮り上げたなと思う(カフェのシーンでは隣に座っていながらも、目の前のガラスを利用して、まるで「正面」にいるかのように描いていたのが殊更良かった)。牛腸茂雄の『SELF AND OTHERS』で捉えられた一組の男女を思い出しながら、東出昌大と唐田えりかがベランダで「並ぶ」姿を眺めてた。
いま一番応援したくて、一番新作が観たい日本人監督。次回作も勿論期待しております。