ノラネコの呑んで観るシネマ

寝ても覚めてものノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

寝ても覚めても(2018年製作の映画)
4.5
愛した男が失踪し、数年後にその男とそっくりな別人と付き合うことになった女の物語。
ゼロ年代の最初の恋愛はごく短く、しかし強烈な印象を彼女に残す。
この恋愛で主人公は変質し、心の中の愛カタチが変わるんだな。
そして3.11をきっかけにした、第二の男との5年間。
しかし、その長い歳月は彼女にとって最初の恋を引きずった、どこか割り切れていない夢うつつの時間。
そして、そこにスルリと過去が入り込む。
同じ顔をした二人の男と過ごした時間、そのどちらが彼女にとって、地に足をつけて生きていた生活だったのか。
彼女の選択は、正直もうこの歳になると「そういうこともあるよね」と思うのだけど、映画の二人みたいな若い頃だったら許せないだろうなあ。
しかしそれでも二人は決断した。
家の前を流れる泥色の川が、まるでこれからの波乱に満ちた二人の人生の道に見えるのが象徴的。
キャスティングが絶妙で、愛の迷宮に迷う主人公を演じる唐田えりか、顔は同じだけど優しく誠実な男と、宇宙人っぽい気持ち悪い男を演じた東出昌大はこれがベスト。
二人の友人たちもしっかりと作り込まれていて、リアリティがあった。