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寝ても覚めてものhabakariのレビュー・感想・評価

寝ても覚めても(2018年製作の映画)
4.0
とても誠実な映画だ。
正対する顔は彼我を、左右の直線運動は不可逆を、反復は連続と一回性を。

TVドラマ的な凡作であれば多用するであろう回想シーンは一切ない。時は一方向にしか流れず、今日の次に昨日は来ないし、明日は今まで積み重なった日々の上にある。変わらないでいようとしても、現実が、環境が、他者が自分を変える。朝子の決断はその時々の彼女の解であり、間違いではない。時間の流れとしてみれば歪でも、ある一点においてはクリアだ。tofubeatsのリリック通りに。

しかし、あのぬっと出て来る感じは黒沢清っぽくて、朝子も麦も幽霊みたいだ。
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