みなみしま

寝ても覚めてものみなみしまのレビュー・感想・評価

寝ても覚めても(2018年製作の映画)
4.4
夢のような時間に生きる麦と別れた朝子が亮平と被災地を何度も訪れる場面が重要。朝子は被災地と亮平の重なりに麦を見てはいないか。帰りの車内、朝子は案の定寝てしまう。なぜ、ごめんと謝るのか。それは束の間、麦との時間を過ごしていたことの罪悪感ではなかったか。など思う。震災の夜に朝子は麦は麦として、亮平は亮平として愛すようになる。つまり震災を起点にして、朝子の中で2人が分裂したと映る。亮平は理想的な日常を与える一方で、麦は夢のような非日常を朝子に見せる。もうここにはない世界。これはほとんど死の世界。元よりドッペルゲンガーとはそのような現象だが。