mimitakoyaki

寝ても覚めてものmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

寝ても覚めても(2018年製作の映画)
3.5
冒頭、中之島の国立国際美術館が映って、他にも知ってる場所がいくつか出てきてワクワクしたのですが、美術館でボサボサ頭でサンダルばきの麦(ばく)が鼻歌うたってたり、美術館を出た後の爆竹の破裂音のように鮮烈な突然の恋やら、あまりの現実味のなさに、ヤバイ、この映画アカンかも…と不安がよぎりました。

あの格好で美術館行くか?美術館で鼻歌うたうか?会ったばかりの女に名前聞いてすぐキスするとか、どんなヘンタイ野郎やねん!東出くんやなかったら即逮捕案件になるわけですよ。

結構な感じでバイク事故も起こしてんのに、あんなにキレイなわけないやん、わたし原付でこけた時、着てるものもメットもガリガリにヤラレでダメになったし打撲で何ヶ月も痛みありましたんやわ。

その後も友達の家でワイワイ楽しんでる時にフラッといなくなったり、その理由聞かされてもナンヤネンそれ⁇ ってなりますしね。
麦と朝子のシーンはずっとふわふわとしたファンタジーな感じで、地に足ついてない不思議な感じでした。

大好きだった麦が突然いなくなり、麦と見た目が瓜二つの亮平と出会い、付き合うようになってからも、どこか不穏な感じを纏っていて、すごい幸せそうなシーンなのに突然に壊れてしまうんじゃないかというそこはかとない不安を孕んでいるところがなんだか怖くて、後半はゾッとするようなホラー展開になってってハラハラしました。

何もかも振り払ってでも今の衝動に突き動かされるままに突っ走るというか逃げるというか、そういう気持ちもわからんでもないけど、それまでの事も含めて軽率っていうか、とことん愚かな自分をさらけ出して、そこから再生していくのは良いけど、そもそも麦は何したかったんや⁇ と理解不能で、その後の朝子も、え?そこまでしといてもうええんかいっ⁈ とか、ちょっと2人の向こう見ずさに共感できず乗り切れないところが正直ありました。

東日本大震災やALSとかの扱いもなんだか唐突で、必然性がそんなに感じられなかったり、朝子は大阪出身という設定の割に、関西弁がなってないから、それも終始気になってしまいました。
「おおきに」って言うシーンが何回かあったけど、そんなん言わんやろ。

ファンタジー要素は麦と朝子にとって重要だったのはわかるんですが、それが不自然さのように感じてしまったり、結局のところ2人に魅力を感じられなかったのが残念でした。

とはいえ、終盤の朝子と亮平のシーンはとっても良い映像だと思ったし、亮平の複雑な心の内や朝子の自覚してからの亮平への気持ちなんかは心に残りました。
あと、仲本工事と猫ちゃんがとっても良かったです。
ネコ可愛すぎ♡

86
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