先行上映ながら関西でも上映が始まったので投稿。菊地健雄監督の3作品目にして、初の原作の映画化もの。原作は『告白』の湊かなえ。
菊地監督の1作目『ディアーディアー』はどうも好きになれなくて、2作目『ハローグッバイ』は非常に心に沁みて、さあ最新作は…!と割と気負って観たんですが、今作は「プロの仕事やな」というのが一番の感想として出てきました。
湊かなえの短編集の中から2つのエピソードを映画化したという本作、それを知らずにまず観たので「うん、うん、で、貫地谷しほりと大東駿介は今後どう話の中で絡んでいくのかな?」と思って観ていたら最初と最後に合流するだけで「なんじゃそりゃー!」って正直思いました。で、そもそもそういう映画化の仕方だったということを知り、まあそうかと。でも、これ僕みたいに知らない人が観たら拍子抜けするんじゃないかなと思いました。
でもそれ以外は、演者の芝居も画作りも、やっぱ上手いし、「プロやな」って思いました。簡単に言うと「田舎とか家族ってええとこも悪いとこもあるけど、一緒に生きていきましょう!」みたいなことだと思うんですけど、個人的には色々話の内容自体テンプレかなとは思いつつも原作ありきでちゃんとまとめていたんじゃないのかなと。出てくるお母さん役の人たちが揃いも揃って幸薄というか、「あ…もうなんか抱え込んでるんですね」っていうのが分かる人たちばっかで、意外性とかはなかったけど、安心してじっくり観てられるというか。
とにかく、菊地監督のプロの仕事を楽しむ映画かなと思いました。