グリーンツー

望郷のグリーンツーのネタバレレビュー・内容・結末

望郷(2017年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

湊かなえ原作。「夢の国」と「光の航路」という二本の短編映画がセットになった作品。原作はどうやら六本あるらしい。

湊かなえの作品は、どの作品も心にグサグサ突き刺さるくらいの衝撃があるんだけど、今回も例外ではない。間違いなく「いい作品」だと思う…んだけど、今回の作品は「肩透かし」を喰らう人が多い気がする。

理由は作品自体ではなく宣伝のキャッチコピー。これ、「ミステリー」ではなく「ヒューマン・ドラマ」。殺人事件なんて起きてないし、警察も出てこない。湊かなえというと「告白」に代表されるミステリーのイメージが強いし、そういう作品を期待したくなるのは分かる。でもこれは、絶対「ミステリー」ではない。

誤解なきように言っておくと、作品自体は素晴らしいと思う。特にラスト。風景に「望郷」と浮かび上がる場面で、タイトルの意味を理解できる。こういう演出も素晴らしい。二人の主人公がこれまで生きる支えになったもの、親に対する誤解を解くきっかけになったもの、それらを突き詰めて考えて行くと「夢の国」や「光の航路」、更には「望郷」というタイトルに行き着く。そういう意味でも上手く出来てる。オフ会でもみんなに勧めたいくらい。