滝和也

処刑人IIの滝和也のレビュー・感想・評価

処刑人II(2009年製作の映画)
3.9
古き故郷にて
羽を休めし堕天使は
今、再び背徳の聖地に
舞い戻る!
悪に容赦なき裁きを!
神と子と聖霊の御名に
おいて…。

「処刑人Ⅱ」

あれから8年。マフィアの首魁を法定にて撃ちし、マクナマス一家は、故郷アイルランドにて羊飼いとして隠棲していた。だがボストンでは彼らの仕業に見せかけられ神父様が何者かに殺害された。凶報を聞かされた兄弟は、途上の船内でメキシカンのロミオを仲間とし、巨悪の待つかの地に舞い戻る!

10年の長きを経て、作成された第二弾です。前作の演出そのままに、正にファンムービーとして作成されています。スローモーションを活かした圧倒的なガンアクション、回想を活かした巻き戻し的な演出、無邪気かつ無鉄砲なマクナマスブラザースのカッコ良いキャラクターと前作を見た方には堪らない面白さ。故に処作は必見となりますね。

基本的な構造はほぼ同じ、前作よりもスピード感は落ちましたが、ノアパパの因縁を介して、外連味やカタルシスは増しています。

惜しむらくはスメックラー捜査官に変わり、女性FBI捜査官が回想シーンを担当するのですが、ウィレム・デフォーが醸し出したギャップの面白さがない点ですかね。また前作で亡くなったロッコ程、狂っていないコメディ・リリーフのロミオもやや後半目立たないのも気になりますか…。ただそれを補って余りあるシーンが追加され、(ネタバレになるので書きませんが)それだけでもファンなら満足しちゃいますよね(^^)この辺りも正にファンムービーたる点でしょう(^^)

個人的にはピーター・フォンダの登場に更に上がりますね。このバイオレンスの流れの中に静寂を醸し出すあの存在感(^^)70sの匂いを持つ彼ならではですよ。

次作の噂も出ていますが、これは是非とも、やってほしい(^^) 加えて、この寡作な監督の才能を埋もれさせるのは、もったいなさ過ぎる。邦画でも太陽を盗んだ男の長谷川和彦が2本しか作品を残していないのは何故だろうと強く観じますが、トロイ・ダフィーも同じなんですよね。是非作成して欲しいものです(^^)
滝和也

滝和也