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デヴィッド・ボウイ ジギー・スターダストの伝説のCisaraghiのレビュー・感想・評価

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デヴィッド・ボウイがジギー・スターダストだった頃の代表曲のパフォーマンス映像、スパイダース・フロム・マーズのバンドメンバーと元妻アンジーによる回顧録、音楽プロデューサーや音楽ジャーナリストによる論評とによって構成されているフィルム。

言及されるのはアルバム『地球を売った男』から『ダイヤモンドの犬』までの時期。バンドメンバーからベースのトレバー・ボルダーとドラムのミック・ウッドマンジー、そしてボウイの元妻アンジーが登場。年取ると人種の違いが目立たなくなるように、ロックミュージシャンも年取るとただのおじさんなのである笑。加えて音楽プロデューサーのピップ・ウィリアムズ、トータルロックレディオのマルコム・ドーム、音楽ジャーナリストのジョナサン・ウィンゲイトらによる楽曲解説とバンド評。
 バンドでボウイの女房的存在だったもう一人のメンバー、ギターのミック・ロンソンは40代で亡くなっていたようだ。ジョナサン・ウィンゲイトによるとミック・ロンソンはジミーペイジに並ぶレベルの天才ギタリスト、過小評価されているとのことである。

トレバーとミック・ウッドマンジーはミック・ロンソンと違って目立たないメンバーで全然見覚えのない人たちだけれど、彼らの音はよく知っている訳だから親しみを感じられたし、取り上げているのはこの時期のボウイの代表的な曲で好きな曲ばかりなので、曲の解説や曲作りの過程の話はとても面白かった。ボウイの映像は荒くてお世辞にもキレイとは言えないが、これらの曲をボウイが歌っている映像自体あまり見たことがなかったので新鮮。ホント、華奢で痩せてる。

年取ったアンジーは初めて見たし、アンジーが話す映像も多分初めて見たけれど、なんとまあガチャガチャしたエネルギッシュでがらっぱちなおばちゃんだこと!昔の関西漫才のおばちゃんみたいな喋り方。ボウイやミック・ジャガーのモノマネまでしてくれて爆笑。これがあの名曲「悲しみのアンジー」のアンジーその人だなんてオモシロすぎる。昔はうんと痩せていたけれど、多分この人のキャラは若い時から変わってないと思った。それでこそボウイの元妻。まー続かなかったのもわかるような笑。

取り上げられている曲は以下の通り。

◎Space Oddity
◎Changes
◎Oh! You Pretty Things
◎Life On Mars?
◎Queen Bitch
◎Starman
◎John, I'm Only Dancing
◎The Jean Genie
◎Five Years
◎Suffragette City
◎Drive in Saturday
◎1984
◎Rebel Rebel
◎Ziggy Stardust

本国英国でデヴィッド・ボウイがどのように人々に受け入れられていたのかあまりイメージがつかめないが、ボウイが数々のヒット曲を生み出したことは間違いない。あんなこんな曲たちがポピュラーソングとして多くの人に共有されているなんて、大衆文化の水準が高くてズルいよイギリス、と毎度思う。老いも若きもロックの国、ロックこそが大衆歌謡ってさすがはGreat Britain。
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