【ネタバレなし】
寿命の違う種の母と子の物語。
ドラゴンのような獣を飼うメザーテ国に滅ぼされた、数百年の寿命を持つイオルフの民の生き残りルキア。
逃亡中に戦の犠牲になった人間の村から保護した赤ん坊にエリアルと名付け、共に生きるのだが…
おそらく男の子を持つ母親はピンポイントで号泣?(笑)
人間に比べほぼ成長しない母ルキアは、気持ちも身体も純粋無垢な少女のままであり、それでもエリアルの保護者でもあり、ある意味プラトニックな恋人以上ともいえる究極の母性の存在となった。
実は相当アブない話なのだけれど、ファンタジーという世界観で美しく包み込まれている感じ。
大きなフィクションを設定することで、現実の中に潜んでいる微妙な部分をドラマチックにデフォルメし、映画という短い時間の中に圧縮して物語の枠に留める。
この手法で、自分が好きな作品は『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』や『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』や、もしかすると『時をかける少女』もそのジャンルに入るのかな?。
作品全体がパラレルのファンタジー世界という、あくまでビジュアル的には『鋼の錬金術師』、或いはファイナル・ファンタジーのような、ゲーム世界では"ありがちな世界"の演出で入り口を広げたことが、ウリでもある反面、既視感でもあるところが好みを分けるところかなぁ…。
独自の作家性を発揮したオリジナルストーリーは、相当実験的な新しい試みなのかもしれない。
それだけに、ビジュアル面でもう少し"なにか"が欲しかったようにも思いました…。
男目線では、たまに会う親戚の子が、ビックリする程成長してるヤーツかな(笑)