かず

さよならの朝に約束の花をかざろうのかずのレビュー・感想・評価

4.3
"また新たな別れに出会うために"

未鑑賞の作品が溜まってますが、順次鑑賞&レビューしていきます。

この作品を映写室から見た時、本当に綺麗で……草原とか青空とか。
まさかこんな泣ける話だとは思いもせず…涙腺崩壊してしまいました。

あらすじがとても分かりやすいので、概要はあらすじ欄も参考に…。

"愛するとひとりになってしまう"

長生きのイオルフの民は人間からすれば気味悪がられ、妨げられる存在。
母を亡くした赤ん坊を見つけ、親の代わりに育てるマキア。
エリアルと名付けたその少年は、成長していくが、別れの一族マキアは成長せず、姿もそのまま。本当の親ではない事にも気付き、次第に母さんと呼ばなくなる。

エリアルの心の葛藤というか、思春期というか、難しいですよね。

"いってらっしゃいエリアル、晩ごはんまでには帰ってくるんだよ"

後になればなるほど、ホントに泣けますよね。。年をとろうが、姿に変化が無くとも、母は母。

"別れの一族…多くの別れを見送って、変わりゆくものを見送って、時は立ち止まらずに進んでいく"

出会いに喜び、別れに悲しむ。
人生の終わり、人々との別れ、現代社会にも多くある別れは、思い出や感情が強いほど、寂しく辛いもの。
だけれども何か大切な物を必ず残す、そんな気がします。
高校卒業した私も慣れ親しんだ場所や人と別れ、次のステージへ。
同じ別れでも、前向きな別れでありたいですよね。

僕は子視点での鑑賞になる訳ですが、親視点で観た時に変化は起きるのかなと。
自分が生まれた時はこうだったのか…とかこういう想いがあったのか…とか…
観る人それぞれで感じ方が変わる作品です

いのちの大切さ、愛すること、愛されること、本当に大切な物は何かを改めて考えさせてくれた作品でした。

構成的にラストは少し早足で、泣くしかない展開だったのは否めないですが…笑。エリアルとリタの関係も、いつの間に?って所まで進んでますしね…
マイナス点はこれくらい。

心に響く素晴らしい作品でした。
まもなく公開終了ですが、是非!
かず

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