malu

さよならの朝に約束の花をかざろうのmaluのレビュー・感想・評価

4.0
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」と「心が叫びたがってるんだ」の脚本の岡田麿里さんの初監督作品ということで。
ちなみに、あの花は普通で、心叫はあんまり好きではないです。

別れの一族と呼ばれる長寿の一族「イオルフ」の民は外見の成長は10代半ばで止まり何百年と生き続ける。イオルフの少女マキアが親を亡くした人間の赤ん坊と出会い母親になろうと奮闘し様々な困難に直面して成長していく物語…
個人的には前の2作品より面白かったです。

誰かが誰かを愛しまたそれが繋がれてゆく。母は強し。というか母は真の母になるためにために強くなっていくんですね。「そして母になる」 みんななれる訳じゃないのかな。

親と子というフォーマットを借りて「愛」というものを丹念に描いている涙腺崩壊な映画でした。
成長した思春期真っ只中のエリアルの葛藤だったり複雑な感情だったり、変わっていく2人の関係性だったり岡田麿里さんはこういう繊細な描写得意ですよね。
メザーテにさらわれたレイリアの悲劇、叫びであったり、血、破水、そういう描写をしっかり描きこんで見せるのは物語として凄く誠実なアプローチだと思う。
映像もとても綺麗でした。

個人的に苦手だった点…前2作にも通じた事なんですがあの声優さんの萌声が聞いてて小っ恥ずかしくてノイズになってしまう。あと尺的にストーリーの描きこみ方が足りないなと感じました。展開急ぎすぎじゃない?ってところが多々ありました。 もう一つセリフカバーしすぎかなと。

それでも初監督でここまでの世界観を作りあげるなんて凄い。
しっかり愛とか人生それから命について考えさせてくれる良い作品でした。次の監督脚本作品を早く見たい。
malu

malu