感動しました。
ジュディ・ディンチは本当にイギリスの貴族をやったらまんま感が半端ないですね。
発音、佇まい。ここまで、ブリティッシュロイヤルティを演出できる女優さんもなかなかいないと思います。
今回はイギリス史上最も長く王位にいたかの有名なヴィクトリア女王がまさにハマり役でしたね。
長生きをすることの寂しさ、女王でいることの辛さが私みたいな平々凡々な人間にも感じられる繊細な演技でした。
そんな孤独を抱えながらも女王でありつづけるヴィクトリアとインド人アブドゥールの不思議な関係性に終始目が離せませんでした。
女王のクイーズイングリッシュとアブドュールのインド訛りの英語が織りなす2人の会話は最初は、ちぐはぐにかんじられるのに、後半になるとアブドゥールが発する言葉一つ一つに意識を持ってかれる感じ。2人の会話のバランスの良さが魅力です。
この映画は、彼らの会話そしてアブドゥールの言葉が魅力の1つだと思います。だからこそ、是非英語で見ることをおすすめします。
アッラーを神とし、コーランを信仰するインド人とアブドゥールと、そんなインドを征服するイギリス国教会のトップに君臨する女王。宗教も、文化も、言葉も全く違うのに共感できるアブドゥールのシンプルな飾らない言葉。本当に素敵でした。
We live for the others.
Love is the whole and we are the parts.
孤独にのまれ、老衰に苦しみ、死を恐れる女王にアブドゥールがかけた言葉です。わたしは終始、彼の言葉に胸をきゅーっと掴まれてたまらない気持ちになりました。
My sweet son.
女王がアブドゥールを息子と呼んだラストシーンは涙が自然と溢れてきました。これか実話であることに、欲と争いが絶えないこの世界にも愛はあるのだと安心しました。