吉田ジャスティスカツヲ

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法の吉田ジャスティスカツヲのレビュー・感想・評価

5.0
カセットテープに例えると【この映画にはA面とB面があって】
尚且つ、人生には巻き戻しボタンが無いので両方とも再生して聴かないと終われないし、片方だけではつまらない。

カチッ📼

【A面】超・ぼくのなつやすみ
子供たちは、どんな環境も遊び場に変えるのです🌈
そんな無邪気な明るさが、パステルカラー&人工的な風景に美しく溶け合って大人達の憂鬱な現実を幸福な気分になる不思議な映画でしたよ。
悪いけど、ムーニーと同じ歳頃だった時【私たちはもっとクソガキで、もっと大勢居ましたよ】

よく私ん家のご近所さん方は寛大なお心で見守ってくださってましたよ。
言わば【近所の大人が全員ウィレムデフォーでしたよ】
なぜ私の両親が叱られなかったのか不思議です。

(´-`).。oO(いや、叱られているのに私が気がつかなかっただけなのか?




カチッ📼

【B面】夢の世界のすぐ隣に広がる過酷な現実。

フロリダのディズニー・ワールド近郊。
そこにはかつて観光客が宿泊したカラフルなモーテルが立ち並んでいますが【実際に今ではアパートを借りられない貧困層の仮住まいとなっています】

犯罪スレスレの行動に出るお母さんの毎日の切実さ。
疑似家族的なモーテルの人間関係。
実質、孫を見つめるお爺ちゃんポジションのモーテル支配人。
【そんでもって子役たちの奇跡の名演技】
いちばん近いなぁと感じる映画は是枝裕和監督の作品っぽいです。

何回か繰り返されるお風呂🛁のシーン。
初めは母娘で楽しく頭を洗っていましたが、最後の方はムーニー1人での入浴。
大音量ミュージックの裏側で、一体なにが行われていたんだか…

クライマックスのいままで見せなかった感情の爆発具合と、そこからの【絶対できないことをやってやったぜな開放感】からの、この映画独自の魅力として忘れがたい後味を残してくれましたよ👍