KITAYUMASSACRE

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のKITAYUMASSACREのレビュー・感想・評価

4.0
「人間」という動物の生態を客観的に描いている。と同時にその人間たちのどうしようもなさや醜さを優しい視点でも見守っている。これはヤコペッティの「世界残酷物語」とも通じる視点だ。もちろんこちらはドキュメンタリーではなく劇映画だが、子供のありのままのリアクションを撮った場面などドキュメンタリー的な場面もあり、劇映画とドキュメンタリーの境界線が非常にあいまいな作品でもある。
その人間たちの中でも一人だけこの映画のカメラと同じ視点、人間たちを見守る視点を持っているのがウィレムデフォー演じるビリーだ。彼は普段はモーテルの管理人という人間としての役割を持っているが、時折見せる彼らを守ろうとする行動や視線はこの映画をただ人間の生態を記録したドキュメンタリーとしてではなく、物語の力が働く劇映画として成り立たせている。