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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のnanaのレビュー・感想・評価

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全編がiPhoneで撮影されたことでも話題となった前作「タンジェリン」で高く評価されたショーン・ベイカー監督の最新作。
ディズニーワールドという、いわば世界で一番夢のある場所のすぐ近くでは、貧困層がその日暮らしをしているという現実をこちらに突きつけるドキュメンタリーのような作品でした。

そんなハードな設定ながらも、物語全体は何とか工夫しながら、そして楽しみながら日々を暮していく親子、子供たちを描いたものです。
建物のカラフルさ、子供の笑い声も相まって画面はいつも明るい。

母親ヘイリーは、若くして娘ムーニーを産みまだ精神面で大人になりきれていなかったり人に暴言を吐いたりするけれど、どんなことがあっても決してムーニーにあたったり暴力をふるったりすることはなく、いつも愛情いっぱい。
怖い顔のウィレム・デフォー、今回は怖い役じゃなかった!

ハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、マジカルエンドと謳われている今作。
希望も絶望も全てつめこんだまさに「魔法」のようなこの映画のエンディングは「逃げ」ではないかとも言われていますが、あのラストをどう解釈するか、簡単に答えを出さないからこそ、観た人がこの現実を考え続けなければいけないからこそ、あのラストで正しかったのではないかと観終ってしばらく経った今は思います。