オパイダーマン

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のオパイダーマンのレビュー・感想・評価

4.6
一夏のあいだに起こるほんの些細な人間関係のいざこざのなかで、ムーニー(ブルックリン・キンバリー・プリンス)の成長が兎にも角にも著しい。

強がって悪態を喚き吐き散らす生き方よりも、誰かに甘え誰かに甘えさせてあげる、そんなエゴむき出し且つ溢れんばかりの愛ある付き合い方が、結局は可愛くて仕方がない自分のためになる行いなのだろう。

信頼できる人間を獲得するために変わっていく娘と、頼りになる人間がまわりにいるにもかかわらず変われない母の対極的な姿に、まるでボビー(ウィレム・デフォー)のような付かず離れずの距離で見守った112分の物語。

どうしようもなくただひたすらダラダラと過ごす、何の変哲もない一夏の最後に待ち受けているものは、怒り憎しみ妬み憐れみか、それとも互いを思いやれる愛か。

迷わず後者を選べる人間でありたい。

p.s.

終始目を覆いたくなるような悪態ばかりで、頭を抱えるようにむしゃくしゃしながら観守ったものの、ラストのクライマックスのシーンで、途轍もなく救われた気になった。

友達は、生きる財産である。