motoietchika

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のmotoietchikaのレビュー・感想・評価

4.3
甘い色彩に包まれた家族の風景。貧乏だけどそれなりの幸せがある。そんな映画なのだと思ってた。

虹のふもとを目指そうとする場面が象徴的で、すぐそこに見える夢は幻のように遠い。
この奇跡のような鮮やかな風景も瞬間もすべて夢の蜃気楼に過ぎないのだとわかり始めると、日常を楽しむことと戦うこととの境界がどんどん曖昧になってゆく。

モーテルの通路でタバコに火を点けると遅れて建物の明かりがぱっと灯るシーンなんかは奇跡的なカットだった。
奇跡的な瞬間は一つ一つが尊く、同時に苦しい。

元々ディズニーに思い入れはなかったけれど、ここは本当に夢の国なのだなと思い知った。
この映画のラストからエンドロールにかけてのシークエンスには凄まじい「抑圧からの開放」がある。失禁しました

観終わってからいろいろ考えると、子どもたちを背中から追うショットが前半ずっと出てくるのは「子どもたちの背中」を映していたのでははなくて、「子どもたちが見つめる視線の先」をカメラも追いかけていたのだなと後になって思う。


くだらなくて、いいセリフがたくさんある。
「ゲップ大会やらない?」
「マジですか?」
翻訳字幕がかわいい。