カラフルでポップな建物、大きな青空に時には虹も出る、場所としてのチカラが強いフロリダ。
「マジックキャッスル」という名の紫色のモーテル、住む人々には魔法がかかる訳ではなく、ひたすらに貧困という現実がある。背景と人物の明暗がくっきりしていて、なんとも言えない、ある種の映像美。
モーテルの人はなぜ追い出されるのだろう?ムーニーはなぜ1人でお風呂遊びをするのだろう?
こういった1つ1つのなぜ?が、救いようのない問題を間接的に表現していて、後々ダメージがくる。
自由奔放な子供たちや住人の中での、管理人ボビーの存在感が大きい。口うるさくもモーテルを見守ってるようで、いいオヤジなんだよなぁ。あとモーテルの中では権限があっても、結局はボビーも雇われの身なんだと思い知る部分があって、私はそこが切なかった。
ラストシーンは、最高に現実逃避でグッときた。魔法なんて最初からかかっちゃいなかっただけに…。