スヌーピーマン

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のスヌーピーマンのレビュー・感想・評価

4.3
大人たちは子供を守っているつもりでも、大人の問題を包み込む子供の無邪気さに助けられている作品になっているのがグッとくる。

登場人物全員が子供たちに暖かい眼差しを向けている点はなんて優しいんだろうと。その優しさは子供を守っている“つもり”の大人たちの滑稽さを強調していて、同時にリアルである。

クセの強い人たちが多く出ているように見えるけれど、よく考えたらほとんどはリアルにいそうな普通の人たちですよね。説明がほとんどないまま自然にクセを感じ取れるほどにさりげない人物描写が良い。だから没入感が高めになる。本当に生活水準が痛々しいと思えるし、イラつく大人にはイラつくし、守りたい子は守りたい。ぐぬぬ...と歯軋りさえする。

作品自体の技術も良いなと思う。単純にカメラワークの構図と台割が美しくて、ずっと浸っていたい世界観だった。本作のクセの強さはラストだろう。ここだけ映像のテイストが変わるのも面白い。この映像で想像力を膨らませろという事かな。

子供時代に家庭環境によって孤独を感じたことがある人なら、その痛さも強くなるし、だけどそれでも楽しかったはずで、その己の“無邪気さ”の無邪気レベルは満ち足りていたかをも問いただしてくるのだ。