toshitake

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のtoshitakeのレビュー・感想・評価

4.3
個人的には相当心に響いた作品でした。

たぶん、この映画のことならいくらでも語れます。

フロリダの太陽とバカンスを思わせるきれいな景色をこれでもか、という映像美で撮った上に、天才すぎる子役たちの演技とイタズラとかわいさ。そんでもって、母ヘイリーの娘ムーニーに対する愛情いっぱいの態度。

全てが素晴らしいのに、彼らが置かれている境遇はザ・底辺です。

そもそも、ディズニーワールドの周りにこんな光景が広がってるってのも知らなかったし、日本でいう低額宿泊所みたいなことがアメリカでもあるってことにもただ、ただ、衝撃。それに子供達がこんなに多いことにただ、ただ、衝撃。

ただ、、大人にとっては貧乏でも子どもにとっては冒険ってことは本当にありますよね。

象徴的なシーンとして、親にもらったお金で1つのアイス一人で食べるよりも、みんなで調達したお金で1つのアイスを回して食べるのだったら、みんなで食べた方が絶対美味しいってきもちわかるなー。ムーニーの生活は全てがこんな感じ。友達と一緒の冒険。

母親のヘイリーも色んな職をしてるけど、ムーニーにだけは本当に愛情いっぱいに育てている。
作品として、管理人のウィレム・デフォーが最高なやつすぎたり、6歳目線でカメラ撮ってるので、視点が面白いとか、ムーニーのお風呂のシーンの伏線に度肝を抜かれるとか、本当に色々あるのですが。

ただ、私がこの作品で一番響いたのはやっぱりラストシーン。
ある展開が起きて、それまで笑顔しかなかったムーニーの顔に、初めて涙が浮かんでくる。
観客はこのころには、ムーニーの可愛さに完璧にやられてるので、こっちも涙がでそうになる…と、そこで観客を置いてきぼりにする展開が‼️

私はこのラストシーンを観てショーン・ベイカー監督が言いたかったのは、
「そんな簡単には泣かせねぇよ!!」ってことなんじゃないかな、と思いました。

たぶん、このシーンを続けていれば、号泣する観客は大勢いだかもしれない。
「ただ、泣いたらそこで満足して劇場出て終わるでしょ。そうじゃないんだよ、この話はリアルなんだから、泣いて終わりにすんじゃねぇ。現実に戻って何ができるか考えてくれ。」
ってことなんじゃないかな、と勝手に受け止めました。

こんなラストの映画、言葉では言い表せない自分にとって大切なな作品になりました。本当に観てよかった。

ただ、横浜ではあまり観客入ってなかったんですよね…。残念。

宣伝せねば。