スズキ

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のスズキのレビュー・感想・評価

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子供たちの演技が自然すぎて絶句。どうやってあんな凄い演技の引き出しが出来たんだろう。是枝裕和作品を思い出した。

夢の国ディズニーワールドのすぐそば。カラフルな街並み。フロリダの果てしなく広い空と子供の底抜けな明るさ、面倒見の良いモーテルの管理人ボビー(ウィレル・デフォー)などを見れば幸せそうな映画。でもそこには抜け出せない貧困の問題が大きく横たわる。

映画の中では悲惨さをことさら強調しない。だからこそ、よりくっきりと浮かび上がっていて、何といえば良いのかわからない気持ちになった。これどう終わらせるんだろうと思ってたらあのラスト。宣伝ではマジカルエンドという言い方をしていたけど、少なくとも何も解決していないのが辛いし、この子供達が大人になったらこの生活が恐らくは繰り返されてしまうであろうことも辛い。でもああいう終わらせ方しかないのだろうな。

ブルックリン・プリンスをはじめとする子役の演技が超素晴らしい。野性的で残酷で平気で嘘をつく無邪気さ。そして自分たちの境遇や親のやっていることに薄々気づきながら、気づかないふりをして明るく振る舞う過剰な子供っぽさとかもう完璧だった。そしてそれを子供の目線の高さで撮るカメラも良かった。

貧困層が集まるフロリダのモーテル。シングルマザーと暮らすある女の子の夏休みの物語。