「ムーニー！スクーティー！」「ワーット？」の繰り返しでもう楽しくなってくる。パステルピンクの壁に脚を投げ出して座り、大き過ぎるコンバースを履いた両足をカチカチと打ち鳴らす2人。走り出した二人が去った壁に映る「The Florida Project」の文字。この始まり方好きだ。「タンジェリン」も良かったけど、この映画も好き。フロリダの暑さ、起伏の無い平な地形にそこら中に川。ワニにツル(?)に牛。安モーテルに街道沿いのギフトショップ。Less is moreとは真逆のごちゃごちゃした世界。物の質や量の豊かさからはほど遠いが、奇妙な豊かさを感じさせる世界でもある。堂々と卑屈にならずに生きる母娘は、社会的には容認されないかもしれないけど、二人は別れ難く結びついている。良かったです。
