badhabid

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のbadhabidのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

どうして……どうして子供が……大人の都合で……こんな……総評はまさに「心がしんどい」
映像が鮮やかで美しいから尚更。子供の目線で見える世界は広くて、大きくて、色鮮やかで、いつだってワクワクさせてくれる。そんな世界を無邪気にはしゃぎまわってるムーニーの目にも、少しは現実が見えてしまっていて。大人が泣く時はわかる、なんて、子供に言わせたくないなぁ。
度々差し込まれる大音量で音楽を流しながらの、ムーニーの一人での入浴シーンの意味がわかってしまった瞬間、「あぁ…っ」って溜息が出た。

現実は残酷だけど、最低な暮らしの中にも見守ってくれる人がいて、救いの手は近くで差し伸べられていて、でもそれに気付けるほどの余裕はヘイリーにはなかったし、建て直せるような教養は彼女にはなかった。まともな教育を受けてないムーニーもきっと同じような人生を送るんじゃないか。
客観的に見たら最悪な状況にいた母子だけど、きっと当人達にとってはその暮らしの中にも幸せはあって、それが不幸だなんて誰にも決めることは出来ない

ヘイリーの、底辺の底辺にいて、でも世間を憎んだり環境を呪ったりすることはなく楽観的に生きていて、だけど自分を知らないわけでもなくて、だから、ナメんなよ、馬鹿にすんなよ、って気持ちになってしまうの、すごくよくわかる

その行為の意味も、善悪もわかっていない子供たちが親の真似をして無邪気に赤の他人に慈悲をねだるところが胸が痛い。それが同情からくる施しであろうと、ムーニーたちは「欲しいものが手に入った!」と躊躇いなく受け入れて喜ぶ。プライドを持つことさえ、生まれつき許されない環境。

花火と、天気雨のシーンが印象に残った。
子供の頃、めちゃくちゃ楽しかったけどその分自分が無力なのは何となく気付いていて、早く大人になりたかったなぁ。そういう気持ちを思い出した。

全然関係ないけど、冒頭のシーン東京ゴッドファーザーズを思い出した。