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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のannaのレビュー・感想・評価

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そこは、フロリダのディズニーワールド近くにあるモーテル。

壁はピンク。
映像のコントラストは高く色鮮やかな中に映される、モーテルで十分な服も食事もない中その日暮らしを続ける母と娘。

子どもの世界は狭くて大きいもんな。
母であるけど若く、自分に余裕がないヘイリーにも同じく世界はそんなものに見えるんじゃないか。
ヘイリーとムーニー、二人はとても近くて並んでいるから、笑って暮らせてた。

モーテルに永く住み続けるということは許されていない。
そんなモーテルを見守っている管理人ボビーの背中が映されるショットが何度もある。
首に跡が残っている皺はなんだか切なくて、印象的だった。

そして何度も映る爆音でのムーニーのお風呂のシーン。その理由に気づくときが苦しかった。

ディズニーワールドの中で魔法を楽しめる人たちの、すぐ側では生活すらままならない人たちがいる。
誕生日の夜、外側から見たあの花火は確かに魔法のように感じた。

監督も俳優も素晴らしい。
この映画でこの社会問題を知るべきだし、この映画で知れて良かった。
出会えてよかった。
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