バルバワ

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のバルバワのレビュー・感想・評価

4.5
昼休みに汗かきながらチケットを発券…結果昼飯が食べれず正に"真夏の魔法"ならぬ"昼間の阿呆"ってね!うまい!ザブトン,モッテキテーp(`口´*)←一人相撲

いやぁ、なんて優しく厳しい映画なんだ。職業柄映画に出てくる子役ちゃんの演技には感心しつつ「リアルじゃあない」とめんどくさい指摘をしがちなのですが、今作はそういったことはなくて、おかげで職場を思い出しました。テンション上がった子どもって手がつけられないんですよね…ムテキ,ムテキ( ´∀`)


とにかく登場人物の一人一人が本当に実在感がありまして、ウィレム・デフォー演じるモーテルの管理人ボビーも素晴らしかったので、さぞかし芸達者な方々を揃えたのかなと思ったら結構な方が演技未経験らしくて…それもこれもショーン・ベイカー監督の寛容な雰囲気作りのおかげらしく、とても和やかな現場だったからみたいです。つか、パンフに書いてありました!←700円って良心的値段

主人公のムーニーちゃん一味が本当に可愛く、とにかく元気でですね…彼らにとってはどんな荒れ果てた空き家でもアトラクションだし、牛の放牧でもサファリなんです。"子どもは大人と別の世界を生きている"とは正に今作のことだと思います。

対して現実舞台はフロリダ州。近くにはディズニー・ワールドがあり、それだけ聞くと華やかなイメージが湧きます。ただ主人公達が住む地域は貧しい人々がモーテルで暮らしており、ムーニーと母親のヘイリーは観光客相手にジプシーのようなことをしてなんとか食いつないでいます。あと、ムーニーがお風呂に入っているシーンの意味が…胸が苦しくなりました。

この貧困は中々シビアでアメリカでも社会的な問題になっているようです。パンフに書いてありました!←え、700円?安い!
今作は車やヘリコプターの音が本当に大きいのですが、それがより一層主人公達のこの状況から抜け出せない閉塞感を際立てているように感じました。

そんな現実がムーニー達、子どもの世界を少しずつ蝕み始め、最後の最後には大人の事情と現実がムーニーを飲み込みます。そこでムーニーに救いの手を差し伸ばしたのが…もう泣くしかありませんでした!

まあ、ムーニー達の行き過ぎなイタズラにバシッと叱るシーンが欲しかったし、ヘイリーがかなりガラが悪く「ちゃんとして!」とイライラしたりしましたが、でもヘイリーもヘイリーで一所懸命に娘のムーニーを愛していることはビシビシ伝わってきたし、作中一度もムーニーを否定しないのは素晴らしいと思いました。ただ幼すぎですな…『バックマン家の人々』のキアヌ・リーブスの「親になるのには免許はいらない」という(うろ覚え)台詞を思い出しました。

個人的に今作の先に『ぼくの名前はズッキーニ』や『隣る人』があるんだな、と思います。何より嘘臭くなく「子どもって凄い!」と泣きながら観入ってしまいました。間違いなく傑作です。