悠

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法の悠のレビュー・感想・評価

4.0
【見るものすべてが魔法にかかる】

唾の鉄砲で射撃ができるし、アイスクリームを無料で手に入れる方法は知ってる。面白くて色鮮やかな世界は、子どもだけが使える魔法だ。それは忘れるんじゃない、奪われていくのだ。「あんたは親友よ。でも、きっともう会えない。」ムーニーにそう言わせたように、大人が、社会が、自由を奪うのだ。そっちがその気なら、抗うよ、見ててよ。勝手に保護されるのをいつ望んだ。彼女たちの行き先は、居場所は、夢の国であっていい。そうじゃなくちゃ、本当は、いけない。

The Florida Project

以下、余談。
他の人の解説で、「アメリカは個人主義で、ヘイリーはムーニーを既に一人の人間として扱っている。文化の違いがある。日本人の感性で見ると、"だらしない母親"とだけ映りかねない。」とあった。じゃあ日本がきちんと親子愛が重んじられるかっていうとそうじゃない。いじめられて自殺した子に「転校すればよかったのに」、性暴力被害者に対して「家、ホテルに行った方が悪い」、呪いのような自己責任論は全てに通じている。「じゃあ産まなければよかったのに」女は子供3人産め、というのなら、産んで育てられる社会にしなきゃいけないでしょう。