ホテルのレストランで画面いっぱいにムーニーの顔だけ写すあのシーンがとても好きだった。なんて可愛くて、なんて幸せそうなんだろうと、こちらまでニコッとしてしまった。母親の目には彼女しか写っていないことがよく伝わる。だからヘイリーはしっかりこの子の親だったと思う。ちょっと過激だけど、ムーニーを育てる強くて芯のある母だった。
ムーニーが友達たちと遊ぶシーンが毎回楽しそうで、子供の頃って毎日が冒険でわくわくだらけだったかもなあと忘れていた昔の感覚を少し思い出した気がした。子供目線で撮影されてる時は晴れの日も雨の日も空は常に広くて、子供にとっての世界も、実は私の生きるこの世界も、本当に広いことを感じた。
それまで一度も泣かなかった強気なムーニーが最後ジャンシーの前で初めて子供みたいに泣いたシーンで抱きしめてあげたくなった。何故ってムーニーの発言が多々とても大人びてて、大人の世界が近かった分いろんなことを感じ取ってきたんだろうなと思わせられたから。倒れてもなお育ち続けるから好きと言った木のシーンとかまさに。
ラスト、ジャンシーが手を引き2人で駆け出すシーンは、音楽とカット共にとても良かった。そして無音のエンドロール。余韻に浸れる感じがすごいのね、初めてだった。
