歌代

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法の歌代のレビュー・感想・評価

3.9
舞台はアメリカ フロリダ、ディズニーランドのすぐそば。
定住できない貧困層が暮らす安モーテルに住む母ヘイリーと娘ムーニー。
偽物のブランド化粧品をディズニーの客に売りつけたりしながらその日暮らしする日々。
側から見たら辛い毎日だがムーニーは友達と純粋に楽しく過ごしていた。
子供視点で映される世界は輝きに満ちていてあらゆることが新鮮で面白い。
しかし、少しずつ現実が迫ってくる…。



子役の演技が凄まじい!
演技に見えず、最早そのものって感じだった。
そのものに見えるからこそ、爆笑させられるところもあり、セリフにグッとさせられることもあり。心動かされた。

穏やかに時間が進んでいくようで丁寧に巧妙に伏線を張っていく感じもよかった。
子供視点だからこそ最初はわからないじわじわとした異変。だんだん言葉を失っていくような感覚だった。
監督の前作タンジェリンとは違った音楽の使い方も良い。
パパッと移っていくカットにさりげなく細かな画面構成というのも粋。

しかし、正直ラストは自分の中でわかったような気分なのにわかってない感覚。好きなんだけど。どこかもやっとする。
好きなんだけど。
歌代

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