MARUKO

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のMARUKOのレビュー・感想・評価

4.3
(若干ネタバレを含みます)

本当に心から素晴らしい作品。だけど、正直なところ「いい映画みたな~」という気分にはとてもなれなかった。苦しくて。
わあマジカルエンド、感動した✨…では片付けられない結構な広告詐欺だと思う。

オープニングから微笑ましいし、笑える。いたずらっ子に参りながらも、愛に満ちているモーテル。
その中で「私、大人が泣くとき分かるの」やボビーの子供を守る様子などのリアルが時々顔を出す。あ、好きなトーンのやつだと思った。

でも、いつの間にか笑えなくなった。こんなにむごいとは思わなかった。貧困のなかに生きる子供があまりに元気なのがかえって胸を締め付ける。
モーテルの人の愛に気づけないヘイリーがもどかしい。つっかかる性格は直さなきゃだけど、頑張る気持ちは持っている。頑張り方を間違えてるだけ。「はぁ…そうじゃないよヘイリー」あんなにクズなのに、見放せないボビーの気持ちが分かる気がした。

観ていて辛かった。ラスト10分は息が詰まり吐きそうになった。でも、それだけ真っ直ぐ描いた今作に拍手。
あのまま夢の世界に逃げれたらな~。せめて、ムーニーが幸せをつかむことを祈るばかり。

(☆は好みで比較してるので低めですが、ほんとに素晴らしい作品)
MARUKO

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