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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のmimotoxmimotoのネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます

前回鑑賞時(2018.6.23@ヒューマントラストシネマ渋谷)に寝落ちしたので、アップリンクで2回目の鑑賞。

とてもとても大好き。一生大切にしたい映画。

ムーニーの母親は「親愛なる」一般常識様からすると決してよい母親と認められない。ディズニーワールドの客にバッタもんの香水を売り、無銭飲食をし、子どものいる部屋で売春をする。アンチヒロインだ。
警察に捕まったこともなければ、残飯を漁ったこともなく、何となく生きているだけのわたしが、アンチヒロインの生き方に共感できるわけがない。だが、共感よりはるかに深い、”生きる”という根源的な欲望でわたしたちは確かに共鳴する。彼女が「F*ck you!!!!!!!!!!」と叫ぶとき、わたしもまた叫んでいる。

監督の、子どもたちへの演出は完璧すぎてこわいレベルだ。子どもたちのしぐさ、笑顔、泣き顔。是枝裕和も真っ青である。

ラストシーンは、もう、体の水分がすべて絞り出される。
子どもの頃は無力で、大人の言うとおりにしか生きられない。どこにも逃げられない。
だからこそ、ジャンシーがムーニーと夢と魔法の王国に逃げていく後ろ姿は、ひたすら眩しくて、息もできないほど苦しい。

ウィレム・デフォーの演技が全体をグッと引き締めているのもさすがである。
ペドフィリアへの容赦ない仕打ちは、今後自分がペドフィリアと対峙したときの参考になる。絶対に許さないからな。
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