タツロウ

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のタツロウのレビュー・感想・評価

4.5
やんちゃな子供たちが駆け回りイタズラしては怒られ、眩しいほどの子供達の笑顔に溢れる一方で、その環境に苦い顔をして見守る大人たち。この対比がとても切なかった。

パステルカラーでカラフルに彩られた世界は子供たちだけに見える風景。貧困家族が行き着いた安モーテルの管理人は助けてあげたいが、何もしてやれないもどかしさ。管理人を演じたウィレム・デフォーの眼差しがとても心にグッときた。

子供たちのイタズラが本当に微笑ましい。しかし、時折現れる黒い影が生々しく、アメリカの実情を物語っているのかもしれない。

母親の愛は伝わっているはずなのに、現実は厳しい。やっぱり大人も成長しなければいないんだ。子供たちに悲しい思いをさせないためにも!

この映画のラストは飛躍でおわる。
パンズラビリンスのラストを思い出して何とも言えない気持ちになった。

子役の演技がとんでもなく凄いが、個人的にはウィレム・デフォー!
最近観た映画のなかでもベストアクトだったと思います!

大傑作!
タツロウ

タツロウ