えいがうるふ

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のえいがうるふのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

底抜けに明るい情景と荒んだ親子の生活のあまりの救いの無さ。その落差がどうしようもなく切ない。親子もの映画で主人公が最初から最後まで全く成長しないのは観ていて辛いが、フロリダという観光地の光とその陰の貧困の対比が痛々しいほど鮮やかで、ラストシーンにも唸る。
タイトルが最後まで謎だったが、projectという単語にはスラングで低所得者向けの公営住宅という意味があると後で聞いて、なるほど納得。

スチールをそのままポスターにして飾りたくなるような絵になるシーンが多く、60’s風のポップで色鮮やかなアメリカンデザインがツボな人なら、子ども目線のローアングルで次々と流れる背景映像を眺めるだけで幸せになれるかも。グロいシーンも無く、画面いっぱいに走り回る子ども達がとにかく可愛いのでカフェやダイナーなどでBGVとして流すのにも最適。特に、とんでもないクソガキなのに見た目だけは天使のムーニー、可愛すぎてズルい。あれじゃボビーが怒れないのも仕方ない。