ポップで美しいフロリダの街を背景に現代社会の暗い部分が映し出されててなんともシュール｡そんな社会問題も子どもの目線で明るく描かれていている分、貧富の差や周囲の人々の無関心さなどなど…フロリダの日常をありのままに投影しているようでもの悲しい｡
全うな生き方が出来ない人も世の中にはいる｡それは生まれた環境だったり育った家庭だったり、教育だったり｡
なんて非常識で最悪な親子｡
それでも常識ってなんだろう？と考えさせられる｡
詐欺、盗み、売春、暴行、ドラッグ｡犯罪を犯さなければ生きていけない、子どもを育てることができない環境にいるヘイリーのような母子家庭も世の中には多くいるんだ｡
偏見や差別や貧困｡生き辛い世の中で、ムーニーにありったけの愛情を注ぎ、犯罪で得た僅かなお金でムーニーに好きなものをたくさん買ってあげる｡はたから見たら間違ってるかもしれないけれど、これがヘイリーの愛し方｡子を愛する母の愛情が伝わってきて微笑ましかった｡
辛い現実から逃れるように夢の国へ向かうラストは晴れやかで子どもたちの幸せな未来を想い描いた｡
ショーン・ベイカー監督の色彩美やアート感覚好きだな～
