磔刑

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法の磔刑のレビュー・感想・評価

1.1
「獣」

1人のクズ野郎がいたとする。

それを老人が見て「最近の若い者は」と言う。

若者がそいつを見ると「これだから老害は」と言う。

しかし、私はそうは思わない。
そのクズが自分より若かろうが、年をとっていようが、それがその人物の人間性の最大の要因ではなくクズは昔からクズなのだ。若ければ年をとっても、年寄りならば若い時からクズなのである。

今作はそのような人物の生活に密着したものだが、お世辞にも映画として面白いかと言われればNOである。
実際ストーリーらしいものは存在せず、目的も葛藤、奮起もなく、ただクズの自堕落で破滅的な日常を垂れ流しているだけでしかない。作品のテーマとか、貧困がどうとか受け取れるかも知れないが、それらの社会的問題を扱った優れた作品は沢山存在し、あえてこの偏った形式の作品を選ぶ意味合いは薄いように思える。(サブプライムローン云々の話を劇中の情報だけで汲み取るのは困難だし、モーテルの住人とディズニーランドに訪れる客達との温度差や格差が作品内でそこまで生きているようには思えない)

主人公を子役にしたから逆に鑑賞に耐えれたようなものだが、子役信仰って日本だけならず海外にも存在するんですかね?現代の“動物・子供・ラーメン”。昔で言うところの“巨人・大鵬・玉子焼き”を地で言ってる作品である。
磔刑

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