はなこたちゃん

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のはなこたちゃんのレビュー・感想・評価

5.0
近所の駐車場で時々ノラ猫を見かける

雨降りには濡れそぼった姿
冬、寒さに震える姿
キレイな水や
美味しいご飯もない
柔らかな寝床も…
可哀想に😥
皆んな連れて帰って飼ってあげられたら…


さて、本作はなかなか重いテーマの作品

なのに、パッケージの通り
映像がカラフルで美しい事にまず、ビックリ‼️

子どもたちは確かにお行儀は悪いし
イタズラもするし
大人を騙してアイスをおねだりしたり
決して褒められたものではないけれど…

子どもって、本来遊びの天才だと思う

遊園地のアトラクションや
高価なおもちゃが無くたって、
自分達で色んな遊びを考えて
楽しむ事が出来る

だから、人の車にあんな事したりして(もちろんコレはダメ)楽しんでいる😣

持ち主に怒られて車を洗っている時でさえ、
子ども達は悪びれる事なく、むしろ楽しそう😅

テーマは重いのに、全編通してカラフルでこのライトな感じは、おそらく無邪気でイマジネーション豊かな子どもの目線で描かれているからだと思う

私達からみたら、とても劣悪な環境だし、
住む所だけでなく、衣食に関しても
不幸せで可哀想に感じてしまうが
この子達の表情は、なんとも生き生きとしているし、
無知で自堕落な若い母親もまた、
彼女なりに、子どもを愛していて
2人の生活を守る為に
彼女なりに頑張っている
娘もママの事が大好き

だから、ふと
近所で見かけるノラ猫の事を考えてしまった

本当の幸せについて…

ノラ猫だから、不幸せとか可哀想だと思うのは
勝手な思い込みなのかもしれないし…



子どもはどんな事もグングン吸収するスポンジの様

だから、この子達の住む環境が違っていたら、
何かのスポーツ、あるいは芸術、学業で才能を伸ばすことが出来たのかもしれない

夢の国であるディズニーランドの近郊に、
世間から忘れ去られたかのように
立ち並ぶモーテルで、住む家を失い
その日その日を生きるのが精一杯の
親子がいる

そんな事、考えもしなかった😥

娘のムーニーが発した
「大人が泣く瞬間が分かる」などの言葉から、
無頓着で自堕落に見える母親も、
相当の苦労をして娘を育てていることがわかり
本当に胸が締め付けられます


ウィレム・デフォーが良かった👏👏👏👏👏
劣悪な環境のなか、
彼女達を気にかけているが、
この管理人や施しをしてくれる観光客にしても、
やはり個人の優しさだけでは、

彼女達を
この貧困の連鎖から救い出す事は出来ない


レビューに万引き家族の
「万引き位しか教えられることがない」
というセリフを思い出したと書かれた方がいらしたけれど、私も思い出しながら観て居ました😭


それにしてもムーニーを演じた女の子は、
(素人だったらしいけれど)
本当に恐ろしいほどの演技力👏👏👏👏👏

ラストで友達に別れを告げる時の泣きの演技は
胸を抉られる様でした😭

シンデレラ城を目指して走る2人の少女の未来が
どうか希望に溢れるものであって欲しい😭