フロリダのモーテルで、その日暮らしのヘイリーとムーニー母娘の、カラフルで危なくて美しくて脆い夏の日々を描いた映画。
端的に言って、傑作&泣きました。。
まず、子役のブルックリン・プリンス、天才。
母親役のブリア・ヴィネイト(なんと初演技…)も、すごく美人だし、叫び方がとても良い。
そして、ウィレム・デフォーの眼差しが、ラストは特に、めちゃくちゃ切ない。。
6歳のムーニーは、もちろん学校なんて行ってないし、イタズラばっかりで口も悪いし、お母さんは仕事ないし、偽物の香水売ってなんとか家賃だけ払って、ご飯は知り合いから貰ったり配給受けたり、住んでるモーテルでほかの客にチップを強請って、人から貰ったお金でアイス買って友達と分けて、毎日友達と遊んで冒険して、土砂降りの後は虹が出て、ディズニーワールドの花火で友達の誕生日を祝って、、
毎日彼女に浮かぶ笑顔が、彼女の置かれた客観的な状況とか、スクリプトとか、そんなものより何より雄弁で、シビアな現実の中にも、彼女にしか分からない、カラフルで夢みたいな世界があることを、見せてくれました。
ムーニーに限らず、役者ひとりひとりの声とか、視線とか、言葉じゃない表現が素晴らしかったー
「アイ、トーニャ」を観た時も思ったのですが、
どういう状況であれ、人が、すごく大変な思いをして作った美しい結果や日常を、
よく分からない他人が壊していくことほど、やるせないことはないなと。それが社会的に善行であっても。悪意があっても。