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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のデイのレビュー・感想・評価

4.7
まさかまさかのウィレムデフォー!!
渋いしカッコ良いし!!

フロリダプロジェクトの"プロジェクト"って"低所得者住宅"という意味なんだそう…。
知らなかったです…。

フロリダ、ディズニーワールドのすぐ近くにあるラベンダーカラーをした低所得者向けモーテル"マジックキャッスル"に住む母娘の物語。

キラキラとしたディズニーワールド(フロリダの観光客)とは相反した低所得者の現実…。

切なかった…悲しかった(T_T)。


オープニングに流れるKool & The Gangの"Celebration"
軽快な音楽🎵♪

無邪気にはしゃぐムーニーちゃんと下の階に住むスクーティくん、と、向かい側の"プロジェクト"に住むディッキーくん。

ムーニーちゃんたち、なかなかの"ファッキンキッズ"っぷり(^_^;)…。

その"ファッキンキッズ"を厳しくもあり、温かく見守っている、モーテルの支配人であるウィレムデフォー演じるボビー…。
渋くてカッコ良くて痺れちゃうのよ!!

そして、ムーニーちゃんとスクーティくんに新しい友達のジャンシーちゃんが加わる。

貧しくとも、何でも"楽しい事"に変えてしまう逞しさ☆

ムーニーとスクーティとジャンシー3人で一つのソフトクリーム🍦を食べるシーン。
回っている扇風機に声を当てると声が変わって聞こえる…それが楽しくて仕方が無いの☆
私も子供の頃やったなー☺️。

BGMは無く…劇中で掛かっている音楽は流れて来るけれど、
ひたすらムーニーたちの笑い声が響きわたる。

昔建てられた空き家で廃墟となった別荘が並ぶ地帯。
そんな場所がディズニーワールドにあるのね…。

ディズニーツアー客を乗せたヘリ。
青空にパッと目に飛び込んで来るオレンジ色。
ボビーが煙草の火を点けた途端にマジックキャッスルに灯りがともるシーン。
雨…
倒れた木。
ディズニーワールドから打ち上がる花火。
このパケ写のシーン。
印象に残った好きなシーン。

…。

ムーニーのママ ヘイリーは…
ダイナーのウエイトレスとして働くスクーティのママ アシュリーからタダでパンケーキやワッフルを貰っていたり、仲良くしていたけれど、
ある事がキッカケで、アシュリーが離れて行ってしまう。

頼れる人がいなくなり、お金も尽きて来て、家賃は滞納し…
ニセモノのブランドの香水を観光客に売りつけたりして食いつないでいたけれど…それも限界があり、
そして、とうとう…(T_T)。

確かにヘイリーは子供が子供を産んじゃったから、全くシッカリして無いし
ムーニーと一緒に自分も子供みたいにベッドの上で飛び跳ねたり、コチョコチョゲーム(くすぐりっこ)したり。

すぐに人を馬鹿にしたり、嫌な部分も多々あってイライラも凄くしたし
母親なんだから、もっと、まともになってよ!!とヘイリーを責める気持ちが大きかった。

何故、シングルマザーなのか…。
無責任なセックスゆえ?
男がDV野郎だった?逃げた?
自分の親はどうしたの?
そこら辺は描いて無かった…。
敢えて描かなかったのかも。

それでも、ムーニーに暴力は決して奮って無いし、ネグレクトもしていない。
ムーニーはママが大好きなんだものね(T_T)。

ファッキンキッズだったムーニーだったけれど、だんだんと可愛くて可愛くて仕方なく見えて来るの。

ジャンシーの前で
「あのね…あのね…エーンエーン」
って泣きじゃくるムーニーを抱きしめてあげたくなりました(T_T)!!
泣いている子供に弱いの…。

ラストは、私はこれで良かったと思います。

走るムーニーとジャンシーの画に畳み掛けるように流れるBGM。
ラストクレジットで流れる人々のざわめき。

私は暫く動け無くなりました。

35mmフィルムとiPhoneを使ったフィルム感も好きでした。

ムーニーをはじめとする子供たちの演技が自然で素晴らし過ぎました!!
デイ

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