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月子のslowのレビュー・感想・評価

月子(2017年製作の映画)
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切っても切れない人間関係であったり、責任であったり、人は生まれて間もなく雁字搦めで、死だけを約束されながら、そこまでの不自由を生きていくのだろう。ただ、一方的に切り離されたり、助けなしでは社会を生き抜くことが困難な者にとっては、社会的な雁字搦めという感覚は当てはまらず、ただただ純粋な生き辛さなのだろうなと想像する。あくまで想像。舌打ちされるために生きてきたわけではないし、暴力で満たされるものなどあってはならない。現代の波にのまれる人々よ。そこから故郷へは何千マイルとあろう。こんな時代に携帯を持たず、ラジカセを抱き、捨てられていた歌を大切に大切に歌い継ぐ人がいたことを、いつか大事な人に語ってみるといい。その声を便りに行ってしまう鳥たちがいたことを、いつか思い出し、海を眺めてみるといい。
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