れい

月子のれいのレビュー・感想・評価

月子(2017年製作の映画)
4.7
「アレノ」「海辺の生と死」そして後に観た「二十六夜待ち」、辛い物語の間中に漂う優しさを味わいたく越川監督の作品を観にこれからも映画館に通うことでしょう。

「月子」は希望のない孤独な二人のロードムービー。山の木々が、都会の喧騒が、海の波音が二人の歩む道を傍観します。主演の井之脇海くんはこの映画で初めて観ましたが、驚くほど繊細で、その優しさが滲み出る佇まいに驚嘆。知的障害者である月子を演じた三浦透子さんよりも目を引きました(それが逆に、個人的に満点にならない原因かも)。

ちなみに、旅の中での様々な風景の中でも、二人の前の大きな波の大きな音に不安と怖さを感じました。それは私が山育ちで海に馴染みがないからという理由が大きいのですが、海辺で育った月子にはその音はどう聴こえるのか。。聞いてみたい気がします。
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