HKaede

ヴェンジェンスのHKaedeのレビュー・感想・評価

ヴェンジェンス(2017年製作の映画)
4.0
法廷にひとり残り、例によって顔半分に影を落としながら正気の沙汰ではない恐ろしい顔で薄ら笑うニコラス・ケイジ
このシーンだけでとりあえずファーストデーなら全然ありな作品

ぶっちゃけてしまえば、フラグを立てては気持ちいいぐらいに回収していく意外性のかけらもない映画ではあった
あんな格好しちゃダメだお母さんよ


まずニコラス・ケイジは主人公ではない
彼の起こす行動に対する説得力が終始薄い
なぜなら彼は被害者との関係性もかなり薄いからである
善悪を判断する場所での理不尽な現実を見る先述した法廷の場面からは、何に対して怒り、失望しているのか、なんてことは、彼にとって関係ないのではないだろうか
ある種八つ当たりに近い

本当の主人公であろう少女から見れば、そんなこいつも立派なヒーローにあたる、というか、一応この作品でニコラス・ケイジは軍出身で勲章持ちの英雄と設定されている
我々はスクリーンの外側から全てを目撃する神の視点で見続けているので、彼女がどれだけ感謝していようと、ニコラス・ケイジは地獄に落ちるだろうと思ってしまう
少女については、迫真の演技と成長ぶりで言うことなしの素晴らしい存在感


原題のVengeance: A Love Storyは何を意味するのか

惹きつけられやすい復讐という言葉には、もちろん、悪人に対して鉄槌を、という意味も含まれているのだろうが、何よりも、絶え間なく起こり続ける事件に関わり続けた正義漢であるはずの彼にとって受け入れがたい現実、それに対する反抗としてビジランテとなるという行動こそが、哀しき現実に対しての彼なりのVengeanceなのだろう
弁護士も判事も、みんな自分の名誉のために法廷で戦うのであって、そこに正義とか求めてはいけない、それなら俺はこうするぞ、と

ラブストーリーと銘打たれた副題は、男の復讐の影ではっきりと流れ続ける親子三代のドラマのことを指しているのだろう
男女の愛だけがラブストーリーではない
この部分の描きこみはよかった


もうちょっと尺とって主人公を掘り下げておけばかなりいい線いったであろう片鱗は充分見えました



追記
猫を殺すのはダメだ許さない
ロン毛、お前は死刑だ