Inagaquilala

西遊記2~妖怪の逆襲~のInagaquilalaのレビュー・感想・評価

西遊記2~妖怪の逆襲~(2017年製作の映画)
3.1
チャウ・シンチー(周星馳)が監督した「西遊記 はじまりのはじまり」の続編。「人魚姫」では奇抜な発想で驚きの作品を世に送り出したが、この第2弾では、製作と脚本に退き、監督は「香港のスピルバーグ」と呼ばれるツイ・ハーク(徐克)に任せている。ツイ・ハークのほうがチャウ・シンチーより10歳以上も年上なので、どんなパワーバランスなのか詳らかではないが、作品のほうは、「西遊記 はじまりのはじまり」をかなりせわしなくしたようなノンストップ・アクション作品となっている。

物語は妖怪ハンターでもある三蔵法師が旅の途中で立ち寄った比丘国(びくこく)という国で、孫悟空、猪八戒、沙悟浄を従えて、またまた大立ち回りを演じるというものだが、とにかく次から次へと繰り出されるアクション・シーンに少し食傷気味となる。満腹なのに、さらにお代わりを食べさせられている気分で、この過剰さにはややついていけない。

冒頭の三蔵法師が「ガリバー旅行記」のガリバーのような巨大な人間として登場するシーンでは、これはと期待を抱いたのだが、これがまた彼の夢の映像で、ただ幕開けの派手さを狙っただけの演出だった。巨大な魚に終始変身させられていた沙悟浄、最大の力を持つお釈迦様の巨大な掌、今回の第2弾はそういう「巨大」なものへの偏愛も見られる。結局、三蔵法師は経典を求めに天竺に向かっているのか、そんなミッションはまったく横に置いておいて、ひたすら妖怪たちとのバトルを繰り広げる「チーム三蔵」の過剰なるアクション・ムービーだ。
Inagaquilala

Inagaquilala