トレンティン

ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリスのトレンティンのレビュー・感想・評価

3.3
ニューヨーク公共図書館に迫った、フレデリック・ワイズマン監督のドキュメンタリー作品。

『ボストン市庁舎』がとても評価が高い作品で、その予習も兼ねてフレデリック・ワイズマン監督の過去作として本作を鑑賞することにした。

図書館の裏側を見る機会はなかなかないが、さらにニューヨーク公共図書館の規模となると尚更。驚くべきは、ニューヨーク公共図書館には92の分館があり、それぞれの地域のニーズに合わせ、異なるサービスを提供しているという実態だ。「図書館は民主主義の柱」というのはよく聞く表現だが、まさしくそれを体現している。

映し出される講演は知的で面白いし、幹部が予算をどう分配するのか議論する姿は非常に参考になる。

また、タイトルにもある「Ex Libris」とは、蔵書票という意味だが、本来は、本がどこに帰属するかを示す言葉である。つまり、「この蔵書は誰のものなのか、図書館は誰のものなのか」を含みにした言葉である。その点で、タイトルも美しく思える。

尺については長く感じたが、観て良かったと思える良作だった。
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