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ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリスのkyokoのレビュー・感想・評価

3.9
世界中の司書の憧れ・ニューヨーク公共図書館。
ただの書庫にあらず。ただの無料貸出本屋にあらず。
ブルックリン・クイーンズ公共図書館に地域分館や研究図書館も加えて、ニューヨーク全ての人に教育仕事文化教養ありとあらゆる情報が平等に与えられる。

その知への入口フロアでは「利己的な遺伝子」で有名なドーキンス博士がキリスト教原理主義者をぶった切っていた。
ユニコーンから誰かの出生地までなんでも来いの「人力グーグル」に読書会演奏会なんてのはあたりまえ、ネット環境を持たない人のためのハブとなり、パソコンダンス勉強ロボット点字住宅情報…書ききれない。
まさに市民を支える「民主主義の柱」
ほんとにこれが図書館なのかとただただ羨望のまなざしを送る。

「公民協働」という運営形態がそれを可能にしているが、予算問題は常に幹部を悩ませている。電子か紙かベストセラーか推薦図書か研究本か。何度も挿入される会議は結局予算の確保と使い道に終始していたように思うがこれは日本も同じだろう。

資料のデジタル化やものすごい早さで流れる返却コンテナ、録音本の収録作業といった裏方仕事を見るのが楽しい。こういうのもっと見たい!

歌うコステロパパ、独特な語り口で物語を語るパフォーマンスと赤子の泣き声、エンディングへの突入の仕方がナイス。
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