とても綺麗で残酷な物語。
ポルトの街が想起させる色。サッカー好きの自分にとって彼の地のクラブの港町をイメージさせる快活なブルーなんだけれど、映画の中のジェイクやマティがさりげなく纏う青もフィルムカメラが捉える蒼い光も淡く儚いブルーでした。
1組のカップルの幸福と別離のコントラストを描く映画としては「ブルーバレンタイン」や「ラブストーリーズ」をどうしても思い出してしまう。女は立ち去り前へ進む。男は留まり歩み出す事が出来ない。この世界のある一面の真実。
その悲劇的な最期と相まって、アントンイェルチェンのジェイクの痛ましさが胸に刺さります。
80分に満たない上映時間。粒子の荒いフィルムカメラが美しい画面を切りとる度に、心がヒリヒリしてしまった。ブルーバレンタインと同様、何度も観たいと思う映画ではないけれど、きっと一生忘れ難い映画になると思う。
アップリンク観逃した映画特集2017にて。