すみれ

ポルトのすみれのレビュー・感想・評価

ポルト(2016年製作の映画)
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目と目で会話したい
言葉は置いておいて…
そんな思いを抱く夜がある。

焦がれる夜がある。
忘れられない朝がある。

構成としてはジェイク/マティ/マティとジェイクの3部構成となっており、それぞれ過去と現在とが異なるフィルムで映し出される。アスペクト比と質感が異なるので混乱しない!

異国の地で出会った一夜限りの、かりそめの2人。舞台となるポルトの街並みはうっとりしてしまう美しさ。
夜の川の優しい水面。深い青と沈むピアノの音色。2人の視線の絡み合い。どれをとってもロマンチック。
あんな石畳の街並みを夜、喫茶店を抜け出し手を引いて、振り回してみたいものだなぁ。

「時間はある 時に限りはない」とあの夜のジェイクは言った。
「40年目のセックスをしよう」と言うジェイクは、それが寂しさを埋めるものだったとしても、とってもロマンチックだ。

誰が何と言おうとも、あの夜の彼らは確かに美しかった。
ベッドで見つめあう2人は、ジャームッシュのパターソンを彷彿とさせるカメラワーク。
ただ見つめあうラストが切なく美しい。
すみれ

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