キッチー

ポルトのキッチーのレビュー・感想・評価

ポルト(2016年製作の映画)
4.0
ポルトガル第2の都市ポルト。
異国の美しい港町で出逢ったアメリカ人ジェイク(アントン・イェルチン)とフランス人留学生のマティ(ルーシー・ルーカス)。偶然の出逢いから一夜の美しい関係を映像化した作品。

とても色々な変化をつけた映像なのに綺麗で見易い作品でしたね。カメラの構図もこれでもかというくらい変わるのに、観ていて不自然さが感じられない。むしろ効果的だし、気負いもなく力が抜けている感じもする。音声もピアノの旋律、街の喧騒、無音、娘が練習するバイオリンだったり、上手いな~って思いました。カフェにいる時にかかっていた音楽も印象的でした。

3部構成になっていて、ジェイクの視点、マティの視点、ふたりの一夜にフォーカスしたシークウェンスに分かれています。時系列が微妙に解りづらいところは、唯一難しく感じてしまいましたが...
男女の考え方の違いが出ているのは面白かったです。ジェイクの「なかでも肝心なことは、言葉を口にする前にお互い心の内を読めたことだ。それでうまくいかないはずがない。本物だっていうこと。」っていう感覚は共感するのですが、女性の感覚は違っているようで...


今作のゲイブ・クリンガーは大学で映画学を教え、批評家としても活躍しているブラジル人監督。ジム・ジャームッシュが制作総指揮をしており、個性的でありながら、質の高い作品になっているのも納得でした。
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