ポルトの作品情報・感想・評価

ポルト2016年製作の映画)

PORTO

上映日:2017年09月30日

製作国:

上映時間:76分

ジャンル:

3.5

あらすじ

男は異国の地になじめず、放蕩を続けるアメリカ人。女はフランスからポルトガルにやってきた、考古学を研究する学生。視線が触れた瞬間、言葉を交わす間もなく惹かれ合ったふたりは情熱的な一夜を共にする。シーツの陰で、夜の街灯の下で、カフェの喧騒の中で、愛を語り合い、孤独に怯え、幸せの意味を噛みしめるふたり。しかし女には恋人がいた。あの夜を信じたい男と未来を忘れたい女の心は、互いに求め合いながらも、ひとつに…

男は異国の地になじめず、放蕩を続けるアメリカ人。女はフランスからポルトガルにやってきた、考古学を研究する学生。視線が触れた瞬間、言葉を交わす間もなく惹かれ合ったふたりは情熱的な一夜を共にする。シーツの陰で、夜の街灯の下で、カフェの喧騒の中で、愛を語り合い、孤独に怯え、幸せの意味を噛みしめるふたり。しかし女には恋人がいた。あの夜を信じたい男と未来を忘れたい女の心は、互いに求め合いながらも、ひとつになることを拒む。やがてふたりのすれ違いが決定的に思えたそのとき、ある奇跡が起こる……。

「ポルト」に投稿された感想・評価

mana

manaの感想・評価

-
ビフォアサンライズてきなやつだと思ったら全然ちがった

ポルトの街は素敵
ポルトの美しい風景と、異なるフィルムで撮られた過去、現在が重なる
男と女は記憶も異なる、でもだからこそ美しいんだよな

このレビューはネタバレを含みます

35ミリ、16ミリ、そしてスーパー8の3種類のカメラを用いて、現在、過去、そして主人公たちの夢を描き分けた意欲作。監督はブラジルのゲイブ・クリンガー。独学で映画を学んで、今は大学で教鞭を執っているというマジモンのシネフィル。

ポルトガルの港町ポルトで再び巡り合った男女が、一夜を共にするが結局結ばれない(女の方に婚約者がいた)、という過去パートは35ミリ、そして彼らの、それぞれ不満を抱いたままのどん底の現在は16ミリ、そして彼らの夢の中の記憶はスーパー8で撮影されている。そもそも、何故こんなややこしくて面倒な工夫を凝らしているのか。単に過去を美化して描くというだけが目的ではないだろう。その答えは作品の章立ての仕方にある。

本作は三部構成の作品である。と言ってもそれは、過去・現在・夢の三部ではない。Chapter 1では26歳のアメリカ人ジェイク、Chapter 2では32歳のフランス人留学生マティの視点から、過去・現在・彼らの夢が語られる。そしてChapter 3において「ジェイクとマティ」という形で、過去、運命的な出会いを果たしたジェイクとマティのあの夜について、カメラは何があったのかを観客に見せる。

ではその構成が一体何を生むのかと言えば、それは同じ夜、同じ空間を、恐らくは同じ想いで過ごしたはずの2人の記憶が、それぞれ違う部分を印象深いものとして記憶し、ある部分は完全に捨象されているということの表現に他ならない。

最も輝かしい夜、その余韻が残る朝と昼は2人にとってかけがえのない思い出となるが、その構成要素は全く同じとはならないのだ。それは単に男女の違いによってのみもたらされる問題という訳ではない。美しい幕引きとして挿入されたあのショット、エピソードは、前のどちらの章でも思い出されることのなかったものである。そもそも人間には物事を完全に覚えることなど不可能である。それは「映画を見る」という行為に関しても同様だ。フィルムからスクリーンに投影された映像を観客は見るわけだが、観客が見た映像は次の瞬間には無数の記憶の断片として切断され連続性を失い、やがてサイズの小さなもの、インパクトの薄いもの、保存状態が良くないものから捨象されていく。暫くすればほんの2,3の、強く刻み付けられた断片だけが残り、やがてはそれすら風化して消え失せ、作品全体をぼんやりと評価する「印象」だけが残る。

思い出の一夜を思い出しながら離れ離れになった男女が思い悩み、そのまま特に何かが解決するでもなく物語は終わるので、わかりやすいハッピーエンドを求める人にとってはこの上なくつまらない作品なんだろうなと思うのだけど、この上なく「映画鑑賞的」な映画に巡り会えた幸せを僕はもう少しだけ噛み締めたい。

と言っても、この文章もまた不完全な記憶の断片から構成された不完全な感想なわけだが。映画の感想は作品を見た直後に書かなきゃいけないという戒めを、本作の鑑賞から9日経った今、前述の幸せと共に改めて噛み締める。
ぐぬぬぬ…。
わからんかった。悔しい。
観直せばまた何か違うかもしれないけど、明日返却日だし…。
なんか、もう少しでわかりそうな気はしたのに。
ポルト歴史地区は世界遺産の街。
すごく綺麗でした。
特に夕方〜朝焼けの時間。
最後、アントンに捧ぐってなってて、この人だったのか、と映画とは関係ないショックを受けました。
同い年。ご冥福をお祈りします。
minorufuku

minorufukuの感想・評価

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ポルトガル第2の都市ポルトが舞台。アメリカ人の主人公は、父の仕事の関係で移住した異国の地であてもなく臨時雇いの仕事を続け、生計を立てていた。ある日、彼は考古学を学ぶ年上のフランス人大学生と一夜の恋に落ちる。しかし、彼女は恩師である大学教授と恋愛関係にあって…という話。

うまくいかない人生を送っている2人の、出会いと別れを追った大人のラブストーリー。恋に落ちた日とその前後の話、そして主人公2人の数年後の姿を時系列を入れ替えた構成で描いている。
三部構成で、男性視点、女性視点、恋人二人の話の順で語られる。時系列シャッフルはかなり細かいが、おおまかには2人の人物相関を端的に説明し、気まずい別れのエピソードと、数年後の虚無感漂う2人の生活を示したあとに、メインの一夜の話を濃密に描いている。出会った瞬間ほとんど駆け引きとか無しに激しく求め合う主人公たちを色調を抑えた画面とジャスピアノメインの音楽を絡めてお洒落に映し出していた。ポルトの街並みも美しい。会話をお洒落。
結局、衝動的な恋愛は継続せず、その後の2人は幸せそうに見えないのだが、忘れられない記憶となって彼らの芯の部分に残っているように見えて、観終わったあとは不思議と心地よい感覚に浸れた。

主演のアントン イェルチンは、スタートレックの現シリーズに出ていたことは覚えていたのだが、この映画の公開年に事故で亡くなっていると知ってビックリ。髪の毛薄くて老けて見えたけど、まだ30歳前の若さだったそうな…
とりあえず記録
dodo

dodoの感想・評価

3.0
男の方がピュア通り越して狂気に見えたのは私だけでしょうか?
恋はするものではなくおちるものだと、なにかで読みましたが、おちたより、互いの空虚を埋めようとしたように見えてならない。
果歩

果歩の感想・評価

3.5
色々しながら観とったら話わからんなった。時系列も立場も変わるから真剣に観な理解できん。だから終わってすぐ2回目観た。これは恋とは呼べんと思いました。ジャームッシュ総指揮のジャームッシュ感強いお洒落映画。
純

純の感想・評価

3.6
こんなにも涙が似合う朝があった。たったひとつの夜だけが永遠なこと、きっとどこまで行っても覆せない。どんなに走っても、触れても、記憶をなくしても、反芻するあなたの横顔は新しくて美しい。他のあらゆるものすべてが無意味なのは、あの夜が完璧すぎたせいです。

恋になる前に愛から始めてしまう現象に名前があるなら、それはどんな音の響きを蓄えているだろう。このふたりに恋は向いてなかった。愛が、愛だけが生活に足りていなくて、だから起こった本当のすれ違いがこの胸をえぐるよね。一方がすぐに愛の不在を受け入れても、ひとりはもうあの素肌を忘れられるはずがなかったんだ。あんなにすれ違えるなんてと胸を騒がせた一瞬が、こんな馬鹿げた速度で見えなくなる。新しいきみを見たいのに、繰り返せない夜はただの死骸かもしれないのに、そんなにも美しいまま、きみはあの街に溶けていくの?もう何も信じずに一緒に生きていかないかって、そう囁くこともできなかった心だけが帰る場所を失って。

美しいポルトの街並みは、笑顔と涙がぶつからない思い出の色をしていた。小さくて広い世界で、きみと三度も出会い直せたのになあ。「発掘現場や電車できみを見かけたとき、カフェで再会すると思ってた」。その再会の意味を、お互いに半分ずつわかっていたね。朝向かい合うふたりの横顔がまるでひとつのように完全だったのも、100%のキャンドルの灯りが朝日と鳥の声に飲み込まれてしまったのも、そのせいだってことにしていいかい。こんな人生がね、きみと視線を交わし合えないだけで春が来ない星になる。もう呼吸さえできない男と、選ぶことの残酷さを抱えて暮らす女が、一度だけ溶け合ってやさしく燃えた夜。くだらなくなんかないよ。さようならとありがとうが素直に言えない関係だって、清潔だから大丈夫。

でも、幻滅しても信じられる強さは、もうこれっぽっちも残ってないや。
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