ナニワのかしましいおばちゃん達の8年戦争。率いるのは怒れる紳士柚岡氏。ベージュがよく似合う。通っていた小学校の天井一面にアスベストが貼られていたことを思い出した。それほど身近な物質にまつわる話だが、のっぴきならないほど一切にタイムリミットが迫っている。
人は次々と死んでいくし理不尽な状況だが、寝た子を起こすのか。寝たままではダメなのか、署名は重いのか、街頭での語りがあたかも演歌のように聞こえる。日々の問題をやりすごす手管は皆それぞれ持っているものだ。鬱屈したものが残り、そこにこそこの作品の価値がある。