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ニッポン国 vs 泉南石綿村のmuraのレビュー・感想・評価

ニッポン国 vs 泉南石綿村(2017年製作の映画)
4.5
休憩をはさんで4時間弱。長いんだろうと覚悟をもってのぞんだが、あっという間。傑作だと思った。とくに後半が。

後半にものすごく面白いものが見られる。官僚は何を守るのか、なぜ守るのか…いやぁ、ここには仕事のために仕事をする人間がたくさん出てくる。面白い。そして恐ろしい。さすがニッポン国。

大阪・泉南地域に集中する石綿工場。工場の労働者はもちろん、家族や近隣住民までもが、石綿を肺に吸い込み、長年にわたって苦しむ。場合によっては命を落とす。被害者たちは、その害悪を把握しながらも放置した国を相手に訴訟をおこす。つまりアスベスト国賠訴訟。国も譲らず、裁判は8年にもおよぶ…

原告が次々と死んでいく。なんと、映画は死んだ人たちの顔を映し出す。絶対に原告の無念を表現してやるという強い信念を感じた。
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